香雲染とは中国の伝統工芸で、この方法には500年以上の歴史があります。かつては貴族階級の夏の衣料に用いられてきました。
中国の高山に自生し、漢方薬の原料でもあるランタンという植物の根に生地を浸し、それを太陽に晒すことを35~40回繰り返し染めています。
黒色は最後に鉄分と塩分を多く含んだ泥を塗り、水洗いと晒干をくりかえして黒色にします。
太陽に晒す作業を終えた後、綿は約1年間、絹は3~5年間倉庫で寝かせて色の深まりを待ち、水洗いして仕上げます。
近年では、手間ひまをかける工程と、高価なシルク素材を使用することから、香雲染め技術を持った職人が少なくなってきています。
優れた特徴として、お手入れのしやすさ・防虫効果があります。
着用時、汗に濡れても石鹸・洗剤等は不要で、水洗いだけで汗のにおい等は十分落とせます。